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柴犬に多い皮膚病とは?獣医さんが解説する皮膚トラブルへの対処法や予防法

柴犬がかかりやすい病気の1つに皮膚病があります。

 

「うちの子は小さい頃から皮膚が弱くて…」
「柴犬は皮膚病にかかりやすいと聞いたから早めにケアしたい」

 

犬は犬種・個体によってかかりやすい病気の傾向に違いがあります。

この記事では、柴犬の特徴を説明した上でかかりやすい皮膚病について解説し、自宅でできる対処法をお伝えします!

通院した場合の一般的な診断・治療内容も紹介しますので、参考にしてみてくださいね。飼い主さんができる対策はしっかり行ない、健康で楽しい毎日にしましょう♪

この記事では以下のことがわかります

  1.  柴犬特有の性質・性格とは?
  2. 柴犬がなりやすい皮膚病
  3. 自宅で柴犬の皮膚トラブルを予防する方法
  4. 皮膚病の場合、病院での治療方法

柴犬特有の性質・性格とは?

柴犬特有の性質・性格とは?

まずは柴犬特有の性質・性格を理解し、愛犬のケアに役立てましょう。

勇敢で独立心や服従心が強い傾向があり、警戒心はやや高めで、パーソナルスペースがある程度あったほうがいいタイプです。

その他に、柴犬の個性として以下の点が挙げられます!

デリケートな性格

柴犬はデリケートな性格です。

いつもとは異なるニオイに敏感になったり、いつもとは異なる食器に餌が入っていると気に入らず食事を摂らなかったりするなど食欲にムラのある柴犬も多く、フードに悩む飼い主さんも珍しくありません。

 

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水を嫌がる

大喜びで水に飛び込む子もいますが、柴犬は水があまり得意ではありません。

足が濡れるのさえ嫌がる子もいるため、シャンプーが苦手な子も多いです。

換毛期がある

柴犬は春・秋の換毛期に大量に毛が抜けます。換毛期には丁寧にブラッシングしてあげましょう!

換毛期の毛がきれいに生え変わらず残ってしまうと、その下の皮膚が蒸れてかゆみを引き起こすなど皮膚トラブルの原因になることもあります。

パーソナルスペースを重視する

柴犬は頭が良く、自分で好き嫌いを考えることができる犬種です。ブラッシングなど、飼い主さんにとってコミュニケーションができる機会であっても、嫌だなと思ったら自分に触らせようとしないこともあります。

しかし、シャンプーをする場合などは、直接的なコミュニケーションが必要です。そのような場合は、おやつなどのツールを用いて少しずつ慣らしていきましょう。

半年~1歳を過ぎる頃から皮膚病を発症しやすい

柴犬は皮膚病を発症してしまう場合も多く、発症する時期は様々ですが、特に生後半年~1歳を過ぎる頃から犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、膿皮症を発症することがあります。

犬アトピー性皮膚炎は体質が絡むため、発症すると一生付き合っていく必要があります。

また犬アトピー性皮膚炎の原因は多岐にわたるので一つの治療方法だけで管理が済むことは少ないです。多くの場合は2つ以上の治療方法を組み合わせることがあります。

愛犬が皮膚をかゆがっていたり、皮膚に赤みがみえたら獣医さんの診察を受け治療をスタートしましょう!

なお、皮膚トラブルの対策には飲み薬や注射以外にシャンプーや塗り薬などの外用剤を使うことがあるので、小さい頃から皮膚・被毛のお手入れに慣らしておくことがおすすめです◎

柴犬がなりやすい皮膚病とは?

柴犬がなりやすい皮膚病とは?

前章でも少し触れましたが、柴犬が発症しやすい皮膚病の代表例は、

  1. 犬アトピー性皮膚炎
  2. 食物反応性皮膚炎(食物によるアレルギー反応)
  3. 膿皮症

などが挙げられます。それぞれの具体的な症状について紹介します!

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎に含まれますが、食物アレルギーのように特定のアレルゲンが原因でなるわけではありません。ハウスダストマイトと呼ばれる家のほこりなどに潜むダニも原因の一つですが、花粉なども原因になり得ます。

それ以外にもともと皮膚の中のセラミドなどの成分が少ないことも原因として挙げられています。セラミドは皮膚を保湿するだけでなくハウスダストマイトなどから皮膚を守るバリア機能も持ち合わせていますが、犬アトピー性皮膚炎のある犬はこのバリア機能が弱くアレルギー反応を起こすことが分かっています。

さらに、これらのアレルギーの原因に対して体が過剰に反応してしまうという体質も関係しています。症状はかく・噛む・なめる・床に身体をこすりつけるなどを繰り返し、長期間にわたると脱毛や色素沈着(黒ずみ)を起こします。

以下は犬アトピー性皮膚炎の犬の写真です。

犬アトピー性皮膚炎の柴犬

犬アトピー性皮膚炎の柴犬

犬アトピー性皮膚炎の犬の内股

犬アトピー性皮膚炎の犬の内股

犬アトピー性皮膚炎の犬の顔、脇~前足

犬アトピー性皮膚炎の犬の顔、脇~前足

食物反応性皮膚炎(食物によるアレルギー反応)

原因となる食物(アレルゲン)の摂取で食物アレルギー反応を起こします。

原因となる食べ物は肉、卵、米など犬によって異なります。犬の場合は人のそばアレルギーのようにアナフィラキシー反応は報告されていませんが、オナラの回数増加・軟便・下痢などの消化器症状以外に皮膚のかゆみや外耳炎という症状が出ます。

かゆみに耐えきれず、特に顔面をかく・噛む・なめる・床に身体をこすりつけるなどの行動を繰り返すのが特徴です。

膿皮症

膿皮症は皮膚の上の細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスが崩れることで起こります。

親からの遺伝で皮膚のバリア機能が弱い犬や犬アトピー性皮膚炎やホルモンの異常をきたす基礎疾患(甲状腺機能低下症など)を持つ犬もいます。

このような犬の場合、普段は皮膚の上に共存しているはずの細菌(マイクロバイオーム)が増え、皮膚バリア機能がその細菌に負けてしまうと膿皮症を発症します。

代表的な症状はフケ・皮膚の赤み・カサブタなどです。

膿皮症の犬の腹部

膿皮症の犬の腹部

飼い主さんでもできる!柴犬を自宅で皮膚トラブルから守る方法を紹介

飼い主さんでもできる!柴犬を自宅で皮膚トラブルから守る方法を紹介

愛犬を皮膚トラブルから守るために、飼い主さんは何をすればいいのかわからない方もいると思います。ここでは、飼い主さんが自宅でできる愛犬のかゆみ対処法について紹介します!

ノミなどの外部寄生虫対策をする

柴犬はお外で用を足すのが好きです。場合によっては草むらにずんずん入ることもあるでしょう。その時にノミがつくと、そのノミに反応してノミアレルギー性皮膚炎を示す犬もいます。

アレルギー性皮膚炎でかゆみが出やすい犬では特にノミがつかないように予防をする事が大事です。

スポットオンタイプ、飲み薬タイプなどありますので、飼い主さんと愛犬に合った方法をかかりつけの獣医さんに相談しましょう。

ブラッシングをする

柴犬は春・秋に換毛期があり、そのときには大量の抜け毛が発生します。抜け毛は放っておくと、蒸れやかゆみの原因になりがちです。

皮膚トラブルを防ぐにはブラッシングで換毛をサポートし、皮膚を健康に保つことが大切です。ただし、柴犬の皮膚・被毛はデリケートなので、こすりすぎないように丁寧にブラッシングしてくださいね。

ただし、パーソナルスペースを重視する柴犬の中にはブラッシングが苦手な子が多いようですので、子犬の頃からブラッシングに慣れさせておきましょう!

飼い主さんの中には成犬になってからブラッシングへの慣れは手遅れだ…と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません!柴犬のかしこい性格に合わせ、おやつなどを使って少しずつトレーニングすることで、ブラッシングへの抵抗をなくしていくのがおすすめです。

以下は投薬のトレーニング法ですが、「苦手なことの克服」という点ではブラッシングにも通じますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪

 

苦手なことを受け入れてもらうトレーニング法

 

ただ、犬の性格は個体差が大きいもの…。もし飼い主さんの手に負えなかったら、無理をせず獣医さんや動物看護師さんなど専門家の力を借りましょう!

シャンプーを行なう習慣を身に付けてもらう

愛犬を皮膚トラブルから守るには、愛犬にシャンプーに慣れてもらい、シャンプーをすることで付着した汚れやアレルギー物質をきれいに洗い流すことも必要です。

 

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皮膚が乾燥しやすい犬の場合、乾燥させすぎないタイプのシャンプー剤を選び、仕上げにコンディショナーなどで皮膚を保湿してあげてください。

皮膚のケアアイテムはさまざまなタイプが用意されています。愛犬の体質・症状に合わせて選んでくださいね。

 

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愛犬の皮膚に赤かったり、いつもよりかゆがっているようであれば、かかりつけの獣医さんに相談しましょう!

皮膚病の場合、病院ではどんな治療をするの?

皮膚病の場合、病院ではどんな治療をするの?

さいごに皮膚病の時の動物病院での治療について紹介します。

治療は症状・性格などを考慮しながら行なっていきます。また飼い主さんのお家でのケアも大事になりますので、飼主さんに無理がないように計画します。

内服薬・外用薬・注射薬

効果的で副作用の少ない新薬も登場しています。しかし、どんな薬でも良い点と悪い点はあります。獣医さんの説明を聞きながら選択していきましょう。

食事・サプリ

食事療法は、食物アレルギーの原因となるアレルギー物質(アレルゲン)を採らないようにするほか、皮膚トラブルを持っている皮膚に不足する栄養素の補給も可能です。

動物病院で処方してもらえるサプリもありますので、食事が思うように摂れない場合は獣医さんと相談しながらサプリメントの使用も選択しましょう。

スキンケア

皮膚トラブルは原因によって改善が難しいものもあるため、皮膚トラブルそのものを治療するだけではなく、皮膚本来の力を強くすることも必要になります。

皮膚自身を強くするためのスキンケアも色々あります。愛犬の肌を獣医さんに診てもらい、肌質に合ったスキンケアを処方してもらうようにしましょう!

その他皮膚病の原因となりえるものの特定と指導

犬のアレルギーは食事によるものだけではありません。

おもちゃによる接触性アレルギーをはじめ、寝床で使用しているクッション、生活範囲内にあるカーペットに付着するハウスダストマイトやお散歩コースにある植物の花粉など、あらゆるものがアレルゲンになる可能性があります。

獣医さんは飼い主さんから皮膚トラブルの原因と考えられる要素をヒアリングし、その特定に努め、可能な限り取り除くよう指導します。

まとめ

柴犬は皮膚病がよく見られる犬種です。皮膚トラブルの治療・管理にはブラッシング、スキンケアなどの対策が必要になります。

しかし、柴犬はブラッシング・シャンプーが苦手…。できれば子犬の頃から慣れさせ、成犬ならおやつを使ってトレーニングしていきましょう!

皮膚の赤みや愛犬がかゆがる姿などが見られたら、動物病院に連れていき、症状が重くなる前に早めの対策を取りましょう。

お手入れもトレーニングも、飼い主さん・愛犬双方がストレスにならないよう、コミュニケーションの一環として行なえるようになるのが理想なので、無理せず頑張っていきましょう!

主な症状・お悩み
  1. 柴犬
  2. 犬のアトピー
  3. 犬の食物アレルギー

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