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犬のフィラリア症はどんな病気?感染経路や予防対策を知って愛犬の健康を守ろう

フィラリア症は、犬に深刻な病気を引き起こす寄生虫疾患です。糸状の寄生虫であるフィラリアが、蚊を媒介して感染することで発症します。

フィラリアに感染すると、犬の心臓や血管を傷つけ、肝臓や腎臓に影響を与えて深刻な症状が現れます。重症化すると突然死のリスクもあるため、対策が欠かせません。

今回は、犬のフィラリア症を解説しつつ、予防策や感染経路について紹介します。犬がどのようにフィラリアに感染するかを知ることで、愛犬の健康を守りましょう。

犬のフィラリア症とは?

2匹の子犬が草原を走っているイメージ画像

犬のフィラリア症は、犬糸状虫(Dirofilaria immitis)という寄生虫が原因で発生する病気です。フィラリア病や犬糸状虫症とも呼ばれます。

フィラリアは非常に危険な寄生虫で、心臓や血管を詰まらせることがあります。特に、心臓から肺へ血液を運ぶ肺動脈に寄生することで、血液と酸素の循環を妨げ、腎臓や肝臓などの重要な臓器に悪影響を及ぼすことに注意が必要です。

重症化すると「大静脈症候群(Caval syndrome)」という命に関わる状態になることもあります。大量のフィラリアが心臓の右側の部屋に溜まり、大静脈(Vena cava)へ押し戻されることで、血液が心臓へ流れなくなり、さまざまな心疾患を引き起こします。

犬のフィラリア症の症状

フィラリア症の初期症状は軽いため、発見が遅れることが多くあります。フィラリアが疑われる場合は、以下の症状に注意しましょう。

  1. 乾いた咳(軽い咳が長引く)
  2. 呼吸困難や息切れ(安静時でも苦しそうに呼吸する)
  3. 異常に速い呼吸
  4. 運動を嫌がる・疲れやすい
  5. 元気がなく、動きたがらない
  6. 食欲不振・体重減少
  7. お腹や脚のむくみ(腹水の貯留)

また、症状の重症度は以下の要因によって変わります。

  1. 感染期間の長さ
  2. 体内のフィラリアの数と寄生部位
  3. 体の臓器へのダメージの大きさ

ただし、早期発見することで犬の負担を最小限に抑え、回復の可能性を高められます。

犬のフィラリア症の感染経路

フィラリアは蚊の吸血によってのみ感染します。感染経路は次の通りです。

  • 感染した犬の体内で成虫のフィラリアが子虫(ミクロフィラリア)を産む
  • 蚊がその犬の血を吸うと、ミクロフィラリアが蚊の体内へ移動する
  • 蚊の体内でミクロフィラリアが成長し、感染能力を持つようになる
  • その蚊が別の犬を吸血すると、犬の体内にフィラリアの幼虫が侵入する
  • 幼虫は犬の体内で成虫へと成長し、心臓や肺へ移動し、繁殖を繰り返す

特に、以下のような環境では、フィラリアの感染リスクが高くなるため注意が必要です。

  1. 温暖で湿度の高い地域(熱帯・亜熱帯地域など)
  2. 蚊の多い場所(海岸、湖、川、湿地、沼地、洪水の多い地域など)
  3. 夏場の蚊の活動が活発な時期
  4. 屋外で過ごす時間が長い犬(ただし、室内犬でも感染の可能性あり)

犬のフィラリア症の予防方法

犬のイメージ画像

犬のフィラリア症は、適切な予防を行うことで対策が可能です。フィラリア症の予防方法としては、以下のような手段があります。

  1. 予防薬
  2. 防虫スプレーを使用する
  3. 蚊を避けて行動する
  4. 蚊の発生を防ぐ

ここでは、フィラリアの予防方法について詳しくみていきましょう。

予防薬

犬のフィラリアは、獣医師が処方する予防薬を使用することで感染を防げます。予防薬には、内服薬や滴下薬(スポットタイプ)、注射薬などがあります。

これらの予防薬は、犬の年齢や健康状態を考慮し、獣医師と相談しながら与えることが大切です。

内服薬

内服薬は、月に一度犬に飲ませるタイプの予防薬です。チュアブルタイプや錠剤タイプなどがあり、犬の好みに合わせて選べます。内服薬は、蚊に刺されて体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除する効果があります。

内服薬を与える際は、獣医師の指示に従い、正しい用法・用量を守ることが大切です。また、飲み忘れがないように、毎月同じタイミングに与えるようにしましょう。

滴下薬(スポットタイプ)

滴下薬は、月に一度、犬の首筋に滴下するタイプの予防薬です。皮膚から吸収された薬剤が、体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除します。投与が簡単で、内服薬が苦手な犬にもおすすめです。

滴下薬を使用する際は、投与後しばらくの間、犬が投与部位を舐めないように注意が必要です。また、投与後2日間はシャンプーを控えるようにしましょう。

注射薬

注射薬は、獣医師が犬に注射するタイプの予防薬です。一年間効果が持続するものもあり、毎月の投与が難しい場合に適しています。

注射薬は、獣医師による投与が必要になります。投与時期や間隔については、獣医師と相談して決めましょう。

防虫スプレーを使用する

犬用の防虫スプレーは、蚊を寄せつけない効果があります。散歩前などに、犬の被毛にスプレーすることで、蚊に刺されるリスクを減らせます。

防虫スプレーを使用する際は、犬が舐めても安全な成分のものを選びましょう。また、使用前にパッチテストを行い、皮膚に異常がないか確認することが大切です。

蚊を避けて行動する

蚊は、早朝や夕方に活発になる傾向があります。これらの時間帯の散歩を避けたり、蚊が多い場所への外出を控えたりすることで、蚊に刺されるリスクを減らせます。

また、網戸や蚊帳などを活用して、室内への蚊の侵入を防ぐことも効果的です。

蚊の発生を防ぐ

蚊は、水たまりに卵を産みつけ、繁殖します。家の敷地内の水たまりをなくしたり、定期的に清掃したりすることで、蚊の発生を抑制できます。

また、植木鉢の受け皿などに溜まった水も、蚊の繁殖場所になるため注意が必要です。

犬のフィラリア症対策はいつから始める?

犬のイメージ画像

フィラリア症は、蚊によって媒介されるため、蚊が発生する時期に合わせた対策が必要です。

一般的に、蚊は気温が15度を超えると活動を開始すると言われています。そのため、多くの地域では、4月下旬から5月上旬頃に予防を開始し、11月下旬から12月上旬頃まで予防を続けることが推奨されています。

ただし、地域やその年の気候によって蚊の発生時期は異なるため、獣医師と相談して予防期間を決めると良いでしょう。

予防薬は、蚊に刺されて体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除する効果があります。しかし、予防薬は成虫には効果がないため、予防期間中に感染しないように対策することも欠かせません。

犬がフィラリア症にかかってしまったときの治療方法

まず、フィラリア症の診断と進行度の評価のために以下の検査を行います。

  1. 身体検査
  2. 血液検査(ミクロフィラリアの有無、内臓への影響などを確認)
  3. 画像検査(X線検査、超音波検査など、心臓や肺の状態を確認)

ただし、フィラリアの感染初期は検査で検出されにくいため、年に1回の定期検査が重要です。

フィラリアに感染してしまった場合は、獣医師は以下の方法で治療を行います。

  1. フィラリア駆除薬を用いて成虫とミクロフィラリアを除去
  2. 重症の場合は外科手術が必要となることもある

また、フィラリア感染により心臓や肺、腎臓にダメージを受けた場合、追加の治療が必要です。

  1. 心機能をサポートする薬
  2. 肺の水分を排出する利尿剤
  3. 鎮痛剤
  4. 心臓や腎臓を守る食事療法
  5. 運動制限(心肺への負担を減らすため)

このように多くの治療が必要になるため、愛犬が健康に過ごせるように、しっかりとフィラリアを予防しましょう。

犬のフィラリアを予防して健康を守ろう

この記事では、犬のフィラリア症の感染経路から予防方法、治療法までを詳しく解説しました。フィラリア症は、適切な予防を行えば十分に防げる病気です。しかし、予防を怠ると、愛犬の命に関わることもある恐ろしい病気でもあります。

愛犬をフィラリア症から守るためには、飼い主さんが正しい知識を持ち、適切な予防と早期発見・治療を心がけることが大切です。この記事を参考に、愛犬をフィラリア症から守り、愛犬と長く暮らせるようにしましょう。

主な症状・お悩み
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