MENU

VIRBAC SERVICE

ペットのお悩みQ&A

ペットの日頃気になることや
お悩みに役立つ記事をお届けします

犬の熱中症予防は何をしたらいい?室内・散歩・レジャーのシーン別対策

犬は暑さに弱く、熱中症にかかりやすい動物です。愛犬の健康を守るため、飼い主は熱中症の予防に努める必要があります。

熱中症は、体温が異常に上昇し、脱水症状や臓器障害などを引き起こす病態です。重症化すると死に至ることもあるため、早めの対策が重要です。

この記事では、シーン別の熱中症予防対策と、熱中症になってしまった場合の対策方法についてご紹介いたします。

シーン別|犬の熱中症予防策

犬の熱中症は、屋外だけでなく室内でも起こりやすい危険な病気です。愛犬を守るために、シーン別予防策をしっかり理解しておきましょう。
室内、散歩時、レジャーの3つのシーン別に、犬の熱中症予防策を解説します。

室内

室内で過ごす犬
熱中症は屋外に限らず、室内でも起こりやすいため注意が必要です。締め切ったまま外出したところ、日中の気温が急に上がり犬が熱中症になっていたケースもみられます。

快適な室温を保つ

犬の熱中症予防には、室温25℃前後、湿度50%程度を目安にするとよいと言われています。

屋外が暑いと室内の温度もあっという間に上がります。留守番中もエアコンはつけて、快適な室温を保ちましょう。

お水は余分においておく

熱中症対策には水分補給が大切です。お水のボウルは犬が倒してしまう可能性もあるので、複数のお水を用意しておいてもよいでしょう。

お散歩

日没後お散歩をする犬
夏場のアスファルトは50~60℃まで熱くなります。地面との距離が人より近い犬は、地面からの熱を受けやすいため、熱中症の危険が高いです。

イギリスの研究では、原因が分かっている犬の熱中症のうち、散歩が67.5%であると結果が出ています。
※出典:Emily J. Hall et al. Dogs Don’t Die Just in Hot Cars—Exertional Heat-Related Illness (Heatstroke) Is a Greater Threat to UK Dogs, Animals (2020). DOI: 10.3390/ani10081324

愛犬の様子をよく観察し、ぐったりしている、呼吸が速い、よだれが多いなどの異変があればすぐに涼しい場所へ移動し、水を飲ませましょう。こまめに休憩を取り、水分補給をすることも大切です。

携帯用の水飲みボトルや保冷剤があると便利です。
運動は犬のストレス発散や健康維持に大切ですが、暑い日は犬の様子をよく観察して注意してください。

夕方も危険!暑い時間帯を避ける

夏場は、日中を避け早朝や夕方に散歩するのも手です。ただし、夕方の日が落ちてすぐの時間帯は、まだ地面が熱い可能性があるので注意が必要です。日陰を選んで歩いたり、土や芝生などアスファルトよりも地面温度が低い場所を選びましょう。

なお、日が沈んだ夜間に散歩する場合は、ライトなどを使い車に注意しましょう。首輪やリードに反射材を付けると、さらに安心です。

最低気温26℃以上の日は室内で過ごす

暑い日は無理して散歩に出ない選択も大事です。目安として、最低気温26℃以上の日は室内で過ごすことを心がけましょう。

レジャー

外で過ごす飼い主と犬

愛犬と一緒に車で出かける際も、熱中症のリスクがあるため注意が必要です。車内温度は短時間で急上昇し、数分程度の放置でも命に関わる事態になりかねません。

夕方も危険!暑い時間帯を避ける

車内の温度は上がりやすいです。「数分離れるだけ」「日陰なので窓を開けておけば大丈夫」と思わず、数分でも犬を車内に残さないでください。

JAFの検証テストでは、気温35℃下に窓を閉め切った状態で駐車したところ、エンジン停止後15分で車内の暑さ指数が人体にとって危険なレベルに達することが確認されています。なお、アメリカでは、最高気温35℃の日に、警察犬がパトカーの中で熱中症を起こし病院へ運ばれた事例も発生しています。

また、真夏日ではない6月上旬の最高気温25.2度と真夏日でない気温でも、名古屋市内で車内に4時間おかれた犬が保護された事例もあります。

犬と一緒に車で出かけるときは、人間が少し寒いと感じる程度のエアコンをかけて、車から数分離れるだけでも、犬を車内に残さないことを意識しましょう。

直射日光を避ける

キャンプやBBQに一緒に出かける場合は、日陰を作り、風通しの良い場所で過ごしましょう。タープなどを活用して日陰を作るほか、木陰を選んで休憩するのも効果的です。

あくびをしたり体を掻いたりするなどの行動は、軽度のストレスサインです。日頃から愛犬の行動をよく観察し、ストレスを感じていないか気を配りましょう。

犬用のネッククーラーや、濡らしたタオルを使い、太い血管がある首を冷やすのも効果的です。

犬も熱中症になる?

室内で過ごす犬

人間と同様に犬も熱中症にかかります。重症化すると命に関わることもがあるため、犬の熱中症について正しい知識を身につけておきましょう。

犬は熱中症になりやすい

犬は人間と比べて、体温調節が苦手です。汗腺が肉球のみのため、汗をかくことで熱を逃がすのが難しいのです。

そのため、主にパンティングと呼ばれる、口を開けて舌を出して呼吸をすることで唾液を気化し、体内の熱を逃がしています。しかし、気温や湿度が高い環境では、パンティングだけでは体温を十分に下げることができず、熱中症になるリスクが高まります。

熱中症になりやすい犬種は?

犬の中でも、短頭種や毛の黒い犬、寒冷地の犬種など、熱中症になりやすい犬種があります。

パグやブルドック、チワワなどの短頭種は、鼻が短く口の中が狭いため、唾液を気化して熱を逃がす能力が低く、熱中症になりやすいと言われています。また、毛が黒い犬は、日光の熱を吸収しやすく、体温が上がりやすいため注意が必要です。

さらに、シベリアンハスキーやサモエドなど、もともとは寒冷地の犬種は暑さに弱く、毛が長く密度が高いため熱を逃がしにくい体質です。

こんな症状があったら要注意!

犬は、人間のように言葉で「暑い」「辛い」と訴えることができません。愛犬を守るために、飼い主は日頃から熱中症の症状に注意深く目を向け、適切な対処をすることが重要です。
ここでは、犬の熱中症の症状を3つの危険度に分け、さらに詳しく解説します。

犬は自分の不調を言葉で伝えられません。飼い主が日頃から愛犬の様子を注意深く観察しましょう。

軽度

  1. パンティングがいつもより激しい
  2. 心拍数が早い
  3. いつもより体温が高い
  4. 口の中や舌の色が赤い
  5. よだれが多い
  6. 動きたがらない

中度

  1. ぐったりしている
  2. 口の中や目が充血している
  3. ボーっと1点を見つめたまま動かない
  4. 力が入らずフラフラと歩行する

重度

  1. 意識消失
  2. 発作症状
  3. 身体の内部が損傷して口や鼻、肛門からの出血
  4. 舌の色が紫色になるなど、チアノーゼの症状がみられる
  5. 嘔吐や下痢がある

これらの症状は、熱中症が非常に重症化しているサインです。一刻も早く動物病院へ搬送し、獣医師による治療が必要です。
愛犬の命を守るために、飼い主は熱中症の症状を早期に発見し、適切な対応をすることが重要です。

もしも犬が熱中症になってしまったら

獣医師と犬

犬が熱中症になってしまったときの対処法も確認しておきましょう。初期であれば応急処置が有効です。

すぐに体を冷やす

涼しい場所に移動させ、エアコンや扇風機をつけます。首、頭、脇の下、お腹、内ももなど太い血管がある部位をタオルを巻いた保冷剤やで水で濡らしたタオルで冷やします。

なお、体を冷やしすぎると低体温状態に陥ることもあるため冷やしすぎには注意が必要です。

また、早く体温を下げようとして冷水を大量にかけたり、氷や保冷剤を直接身体に接触させて急激に冷却すると、末梢血管が収縮し、温度の高い血液が身体の臓器にまわってしまいます。そうなると身体の深部の熱が逃げずに体温が下がらず、高体温による臓器障害が起きてしまいます。この点でも急冷には注意が必要です。

水分補給も大事ですが、飲まない場合は無理に飲ませないようにしてください。自力で水を飲める場合は、少しずつ舐められる程度の水を与え、無理に飲ませないようにします。

できるだけ早く受診

応急処置を行った後も受診が遅れると命の危険もあるため、できるだけ早く動物病院に連れていきましょう。獣医師による診察と治療が必要となります。

【まとめ】犬の熱中症を予防して愛犬を暑さから守りましょう

犬にとって、暑い夏は命に関わる危険が潜んでいます。犬は人間よりも体温調節が苦手で、熱中症にかかりやすいため、飼い主がしっかりと予防対策を行うことが重要です。室内では室温25℃前後を目安にエアコンで調節し、すぐに水分を補給できる環境を整えておきましょう。

散歩は日が落ちてからの時間帯でも熱中症の危険があります。

車で出かけるときは、数分であっても車内に犬を取り残さないように注意。夏のレジャーでは犬用のネッククーラーなどのアイテムも役立ちます。

真夏に入ってからではなく、暑さに慣れていない5月や、梅雨に入り湿気が多くなる6月から早めの対策をしてくださいね。熱中症は適切な予防策で防ぐことができます。愛犬の安全を守るために、飼い主としてしっかりと対策をしましょう。

主な症状・お悩み
  1. 犬の元気がない

関連商品

商品ページに移動しますか?

記事に移動しますか?

top
カート